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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

イケメン大王25号

先日、オオグソクムシを研究対象にしている研究者から出版されたばかりの本を頂きました。

オオグソクムシの行動から彼らの「心」や「意識」のありかを探る、そんな興味深い研究について書かれた面白い本です。

この本の中で、以前ニコニコ生放送で反響があったダイオウグソクムシについて少し触れていただきました。

ダイオウグソクムシそれぞれに性格(個別の行動パターン)のようなものを感じることができた。視聴者の方々も「1号は調子ノリのドジっ子」「5号は年下キャラのカワイイ系遊び好き」「9号は落ち着いたオトナ」とキャラを設定して視聴していた…そんなエピソードが紹介されていました。

いやぁ懐かしい。

 

さて。

先日入館した新入りダイオウグソクムシ№25(25号)をキャラ設定するなら、ハッとするほどのイケメン、でしょうか。

今日、その理由のひとつに気が付きました。

ダイオウ25号は体表面の付着生物が極端に少ない。ほとんど付いていないスベスベ肌なのです。

 

ちなみに、ダイオウグソクムシにどんな付着生物が見つかるのかと言えば…

これまでに鳥羽のダイオウグソクムシから確認されたものは次の4種。

①刺胞動物 ヒドロ虫の仲間

②内肛動物 Loxosomella sp.(ロクソソメラの一種)

外肛動物 Triticella sp.(コケムシの仲間)

節足動物 Octolasmis sp.(ウスエボシガイの一種)

こんな付着生物が他のダイオウグソクムシからは見つかるわけですが、25号の体表にはこれらが付着していない(あるいは極端に少ない)

 

もしかしたら脱皮してからあまり日が経過していないからか…?

あるいは、付着生物に対して抵抗性を持つのかもしれません。これは25号が健康体である証明になるのかもしれません。

どちらにしても、25号のイケメンオーラがこのスベ肌から醸し出されていることには間違いないようです(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

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