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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オウムガイの浮き沈み

飼育日記を書き込んでいると、読者の方から質問をいただくことがあります。

ダイオウグソクムシなど大きな話題になると掲載直後にさまざまな質問が立て続けに来るのですが、先日いただいた質問は少し不思議なものでした。

いえ、質問自体は不思議ではなかったのですが…

ほとんど同じタイミングで届いた別々の方(2名)からの質問はほぼ同じ内容で、ずいぶん前に掲載したオウムガイの浮力調節に関する日記に関するものでした。こちらの日記です。https://aquarium.co.jp/diary/archives/3808

【質問】は『オウムガイは海中深く潜るときに殻の隔室内に液体を満たして重量を増やし、逆に、浮上する時には、その液体を体外に捨て去って体を軽くして浮かび上がるというのが事実ではないことを知り驚きました。それでは実際はオウムガイはどのようにして浮き沈みをしているのでしょうか?そのメカニズムがとても気になります』…といった内容でした。

2年も前の日記に対して同じタイミングで同じ内容の質問が来るなんて…(普通、昔の日記をさかのぼって質問する方はほとんど来ません)

たまたま最近どこかで、この飼育日記が紹介されたのですかねぇ…

でも、確かにこれ、今でも勘違いされている人が多いんですよね。

 

で、こちらが【回答】です。

『オウムガイは成長に伴って殻内部の部屋(隔室)を増設して中性浮力を保っています(浮きも沈みもしない状態)。
だいたい海底の1mほど上をフワフワ浮いていると考えられています。

完成直後の隔室の内部には液体が満たされていますが、連室細管(殻を貫通している管)によって徐々に液体が抜き取られて気体に置き換わります。長い時間をかけて部屋の液体を減少させて浮力を調整させていることは事実ですが、通常の上下運動の際に液体を出し入れすることはありません。

では、上下運動はどのようにおこなっているのか?

答えは簡単です。中性浮力を保った状態なのでロートで上か下に水を吹き出せば、簡単に推進力が得られるのです』

 

つまり、浮力と推進力は別モノという訳ですね。

 

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