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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オオグソクムシの子どもが生まれました

5月25日に採集した、幼生を保育中のオオグソクムシ。

へんな生きもの研究所で飼育しつつ、子どもの誕生を心待ちにしてました。

なかなか生まれず、やきもきする毎日…6月21日、最初に産み落とされたのは2匹だけ。

ところが残念ながら翌日までに死亡してしまいました。

 

それから忘れた頃にぽつりぽつりと1匹づつ産み落とされる子どもたち。

どれも皆、産み落とされると数日で死んでしまうので、弱い個体が母親から排除されているようにも思えました。

 

8月3日に7匹目が生み落とされるとしばらくは何も変化がありませんでした。

 

ところが、実はここ数日、母親が目に見えて弱ってきていたのです。

翌朝には死んでしまうだろうと、母親を予備水槽に移動させることにしたのが昨日の夕方。

もう覆卵葉を閉じる力もほとんど無いようです。

予備水槽に移すと覆卵葉の合わせ目から幼生がモゾモゾと外に出始めました。

このまま全部が母親から出てくるかと思ったのですが、活発にモゾモゾと動き回るものの、一夜明けても3匹が外に出てきていただけでした。

そして、昨日まで虫の息だった母親は…残念ながら既に死んでいました。

こうなると、子どもがいつまでも死んだ母親の体にいるのも問題あると思われます。残りの子どもたちをそっと母親の体から外に出してやることにしました。

全部で18匹いました。先に生まれた7匹とあわせると、この母親は25匹の子どもを保育していたことになります。

これまでの子どもに比べると皆、かなり活発に動き回っているように見えます。

このまま元気に育ってくれれば良いのですが。さっそく、このうちの5匹はへんな生きもの研究所で展示開始しました。

 

それから母さんグソクムシの亡骸ですが…通常はこのままアルコール標本にするのですが、以前にも紹介したようにこのオオグソクムシの体には2種類のコケムシとエボシガイが1種類付着しています。これも貴重な生きものなので、こちらは生存しているのでこのまま飼育を続けていこうかと考えています。

(画像)シメジヤワコケムシと思われるコケムシの仲間

追伸 以前卵を抱えたオオグソクムシが入館したことがあったのですが、https://aquarium.co.jp/diary/archives/3478 確認すると、この個体も卵が18個、卵殻(卵膜?)らしきものが7個ありました。

合計すると今回と同じ25 個。オオグソクムシはだいたいこれぐらいの数の卵を抱えるものなのかもしれません。

 

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