以前、ダイオウグソクムシ№1の消化管(胃)に酵母様真菌が見つかった、と飼育日記に書き込みました。
その時はその酵母ぐらいしか目につかなかったのですが、別の個体の胃の内容物を観察すると、消化管内にはなにやら他にも動き回る生物が結構いることに気が付きます。
例えば、クルクル泳ぎ回るコイツ。
全長0.038mm(380μm)ほどの小さな原生動物(繊毛虫の仲間)です。
繊毛虫の仲間には甲殻類の腸管に共生するグループがいますが、これはどうなんだろう…?
胃内の液体を顕鏡すると、結構、まとまった数が泳ぎ回ってるので、ダイオウグソクムシの胃の中でコイツらも共生してるんじゃないでしょうか。少し詳しく調べてみる必要がありそうです。
写真ももうちょっときれいに撮りたいし…
それからこんな線虫の仲間も。
線虫も動物の消化管などに寄生(共生)する種類がいますが、この画像の線虫もダイオウグソクムシの胃の中に結構な個体数が見つかります。
胃の内容物がドロドロに消化されてる中で元気にうごめいているところから見ても、この線虫はダイオウグソクムシの餌ではなく、寄生(あるいは共生)して消化管内で生活する生物のように思えます。
線虫については当館の獣医の知り合いが研究されているらしいので、標本を提供して詳しく調べていただこうかと考えています。
なんて、ますます深く、へんな生きものの世界に足を突っ込んでいます…(笑)