去年の10月、近くの磯で見つけたイソギンチャクの正体がわからない…と飼育日記に書き込みました。
その後何人かの研究者にお聞きしたところ、ほとんど研究が進んでいない珍しいイソギンチャクであることがわかりました。
現在、研究中なので詳細は明らかにできないのですが、タイミング良く正体がわかっただけでも大満足!加えて面白いイソギンチャクだと知ってかなり興味がわいてきました。
どうやら、カイメンと共生しているようです。
現在、「へんな生き物研究所」でひっそりと展示しているのですが、どうやら生きた状態を見ることができるのは鳥羽水族館だけのようです。
博物館と違って水族館の良いところは、生態の知られていない生物をまさに生きた状態で観察できるところですね。
特に、小さな水槽で個別に飼育・展示する「へんな生きもの研究所」では、今まで埋没していたような小さな生物もじっくり観察できます。
それで、新知見も得られたり…
実は最近、このイソギンチャクの周囲や水槽のガラス面に蠕虫状の生きものをよく見かけます。
スピードはかなり遅いですが自力で移動しているようです。初めは何だろな?と思っていました。
からだの質感がこのイソギンチャクと似ていて、それが気になったので本日検鏡してみました。
体はカイメンの中のイソギンチャクに比べてかなり伸長しているし触手も確認できませんが、やはり、どうもこのイソギンチャクと同一の(変形した)生物のように見えます。
研究者に問い合わせたところ、このイソギンチャク自体の生活史は明らかになっていないものの、同じ仲間には非浮遊性の幼生を作る種が結構いるそうで、もしかしたら、生活場所を求めて家(カイメン)から旅立ったばかりの幼若体かもしれないとの意見をいただきました。
…へぇ面白いなぁ。
等と、「へんな生きもの研究所」ではまさにリアルタイムで、まだまだ明らかになっていない生きものの生態を間近に見ることができるんですよね。
わかっていないことだけに、色々と想像するとそれだけで楽しくなってきます。