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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ダイオウグソクムシ№17の胃内容物

HPではすでに連絡していますが、先日(23日)ダイオウグソクムシ№17の死亡を確認しました。

正月のニコニコ生放送では唯一、調子良く摂餌して動きも活発だった個体なので、急な事に私自身も驚いています。

 

死因を探るために、いつものように解剖を行いました。

大きな怪我はなく、内臓の様子も特に異常はないように見受けられました。

 

(画像注意)

実は、ダイオウグソクムシの消化管はヒョウタンのような形をしていて、前の大きなふくらみ(胃?)に消化された内容物が残っていることがよくあります。

ところが№17の胃に残っていたのは、かなり消化が進んだ内容物が少量だけ。

どうも正月に与えたものではないようです。

(画像注意)

 

 

 

実は、給餌の数日後に水槽の中がかなり濁ったことがあったのですが、もしかしたらその時に食べたものを吐き出していたのかもしれない、今思えばそんな気がします。

イカの内臓のような臭いがしたので、半年前に海で食べたイカが残っていたのかもしれません。

 

内容物を洗い出して残渣を確認すると…

イカの口器が見つかりました。

他にもイカの甲の一部もあったので確かに№17は海底でイカを食べていたようです(水族館ではこのようなイカは与えていません)

また、こんな面白いものも見つかりました。

ヌタウナギの歯です。

もちろん水族館の水槽にヌタウナギは同居していないので、明らかに海の中で体内に入ったものものです。

ヌタウナギは時々歯が抜け落ちるので、ヌタウナギは餌として食べられたのではなく歯だけが何かと一緒に食べられたのではないでしょうか。

 

 

また、解剖中から胃内容物の質感が妙に気になっていたのですが、水で洗いだすとこんな意外なものも。

何かの繊維です。

内容物のほとんどがこんな繊維でした。

ちなみに消化管の下部(腸?)にも少し内容物は残っていましたがこちらには繊維質のものはありませんでした。

一瞬、もしかして水槽内に混入した埃では?と思いましたが、どうも埃ではないようです。

 

さらに、こういうものも見つかりました。

植物の茎かと思いましたが、引っ張ると伸縮する…どうやらゴムのようです。

見慣れないゴム?です。

 

繊維もゴムも、どうも捕獲前の海で食べたもののようです。

今回のような人工物がダイオウグソクムシの消化管から見つかったことは鳥羽水族館では初めてですが、これらが№17の死因であるかは不明です。

 

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