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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

テヅルモヅルの寄生虫

先日、水深100mからやってきた大きなテヅルモヅル(ツルボソテヅルモヅル?)

残念ながら、日を追うごとに体が崩れて、とうとう本日、5個体のうち4個体が死亡…

やはり、難しいなぁ。

すぐ近くで捕れる浅海性のセノテヅルモヅルだと長く飼育できるのですけどねぇ…

とりあえず、へんな生きもの好きとしては、死んだテヅルモヅルでも体の内部を一通りチェック!(画像やや注意)

 

…と、見慣れないモノを発見。

え?…こんな器官、テヅルモヅルにあったっけ?

まるで、しっかりとぶら下がるウインナー。

他の個体を見ても確かに同じものは見当たらない。

こんなの今までに見たことが無い…アヤシイ。

寄生虫かもと期待を胸に部屋まで持ち帰り、夕方仕事の合間にチェックすると…

どうも白い袋の中に何かが動いているような…

さっそくハサミで切開!切開!

 

…すると。

わお!袋の中からにゅるりんと柔らかで平たい2つのオレンジ色が出現!

ゆっくりと伸縮します。

袋の中にいたのは、明らかに独立した生命体、おそらく何かしらの寄生虫。

体長1.5~2.5㎝ほど。

いやぁ、初めて見た。感動!

最近、犬も歩けばなんとやらで、普通に作業しているだけでへんな生きものがどんどん寄ってくるなぁ。

とりあえず、私にとっては初めてお目にかかる生物なので興奮ひとしお!

 

記録写真です。

ん~こちらは腹側っぽいな。

 

で、こちらは背面ぽい。

周りに散らばるのは卵。

取り出すときに、もう一方の個体を少し傷つけてしまって卵が散らばったのです。

そう、こいつらの体の中は卵がぎっしりでまるで動く平たいタラコのよう(笑)

卵径は約70μm(0.07mm)

テヅルモヅルの寄生虫は初めて見ましたが、コイツはエビ・カニと同じ節足動物の中の寄生性ナニモノかではないでしょうか。

この仲間は寄生生活をするので体のつくりがかなり変化しています。

 

あぁコイツは深い海でテヅルモヅルとどんな関係を築いていたのだろう…

とにかく、面白そうなヤツなので引き続きちょっと調べてみることにします。

 

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