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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ニューカレドニア・オウムガイ採集

鳥羽水族館はかねてより、オオベソオウムガイの飼育研究を通じてニューカレドニアのラグーン水族館(旧ヌメア水族館)と友好関係にあります。

これまでにも国際共同調査や、研修生の行き来による飼育技術の交流などを実施してきましたが、今回、オオベソオウムガイの捕獲、共同研究の打ち合わせと情報交換、新水族館の施設見学等を目的にニューカレドニアに出向くことになりました。

 

オウムガイを担当して早や18年…。

以前にも一度だけニューカレドニアを訪問したことがあるのですが、捕獲の現場を見るのは実は今回が初めて。かなり楽しみです。

 

ラグーン水族館スタッフと一緒に出掛けます。

オオベソオウムガイのトラップを仕掛けるのは、ボートで4、50分ほど進んだリーフ(サンゴ礁)の外側、水深250~300mのあたり。

意外と岸に近いな、といった印象。

このリーフの中は比較的浅い(数10m)のですが、アウトリーフは急深になっていて、少し船を進めるだけでさっきまで水深200mだったのが水深500mに。

 

こんなトラップでオウムガイを捕獲します。

意外と簡単な作りですが、多いときは30匹以上も入ってくるらしい。オウムガイホイホイですか。

 

おびき寄せるために餌をセッティング。オオベソオウムガイが好きなのはチキン。特に皮と脂の部分が好みで肉はあまり食べないらしい。

 

餌の準備ができたら、おもむろに水深300mめがけてドボーン!

 

で、そのまま1日放置して、次の日の朝、トラップを引き上げに行きます。

ほらこんなにたくさん入っていました…

…って、あ、これは採集後、水族館に搬入した時の画像ですね。

 

実は、引き上げるときはかなり人力に頼っていて、バタバタしていたので私は写真を撮れなかったのです(残念)。

引き上げられるトラップをチラ見しつつ、せっせと甲板でロープを巻く作業をしていました(もちろん私とは別の、撮影スタッフはきちんと撮影していました)。

 

…ということで、トラップが水面に引き上げられる瞬間を見るのを楽しみにしていたのですが、私はあまりはっきりとは見えませんでした…少し残念

 

ところで。

オオベソオウムガイを飼育している水族館は世界中で、鳥羽水族館とラグーン水族館の2館だけです。

双方共、繁殖に成功していますが、まだまだ孵化率はまだまだ低いですし、幼体の長期飼育にも課題が残されています。

今後も共に協力してオオベソオウムガイの飼育・研究に取り組んでいきたいと考えています。

↑ ラグーン水族館の解説版のひとつ(繁殖の解説)。鳥羽水族館で撮影した写真も使われています。

 

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