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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

ダイオウグソクムシの胃内容物

※少し気持ち悪い画像が掲載されています。ご注意下さい。

 

先日、死亡したダイオウグソクムシの消化管の内容物を調べました。

捕獲後 日にちが経過していない個体で、水族館では餌は食べていません。

胃内容物は、捕獲時のトラップ内の餌か海底で食べていたものと考えられます。

 

以前、別個体の内容物を紹介したことがありましたが、今回の個体も消化管の内部は未消化物で満たされていました。

色は黒く、今までとは違う印象。

胃内容物の重量は128.5g、体重が約1000gだったので、体重に対してかなり多量の餌を一気に食べたことになります。

今回は「どっしり」と言うか「ねっとり」とした質感で、色の感じからすれば何かの内臓のような…イカ?

匂いは強いのですが、嗅いでみたら案外イケそうな感触だったので、少し舐めて味を確かめてみました。

意外と不快なものではなく、こちらも確かに内臓の塩辛のような味(例えばアユの内臓の塩辛「うるか」のような)。

旨味すら感じます。

 

しばらく室温(22℃)に放置しておいたら、どんどんドロドロに溶けていったので、自己消化している感じがしました。酵素を多く含んでいるのでしょうか。

 

その後、網で漉して固形物の調査をしたのですが、目で確認した限りでは 今回は魚のウロコは全く含まれておらず、イカの嘴ばかり多く残っていました。

ほとんどが幅7㎜ほどの小さなものですが、中には大きなイカの嘴の破片のようなものも。

この個体はどうやらイカを食べていたようです。

 

その他に、ヨコエビも見つかりました。

餌に群がっていたところを一緒に食べられてしまったのでしょうか。頭部に1対のツノ状突起を持つヨコエビです。

眼は確認できなかったので もしかしたら眼を持たない種類なのかも知れません。

ほんの断片ですが、ダイオウグソクムシの食性がわかりました。今後の飼育に生かしていきたいと考えています。

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