教養セミナーのネタはジュゴンとマナティー(とオウムガイ)。
はい、完全にウケを狙っています。
でも本当に話したいのはマニアックなへんな生きものの話(笑)
さて。
最近、ニハイチュウ探しがマイブーム。
ニハイチュウ(二胚動物)はタコやコウイカ類の腎嚢に寄生する体長数百μm〜数mmの小さな生物。
多細胞生物でありながら体を構成する細胞は40個以下、器官の分化もなく体のつくりはとてもシンプルですが、種特異性を持つので寄主(タコ・コウイカ類)ごとに、異なるニハイチュウが2,3種類いるそうです。
これまでに日本沿岸で30数種類、世界で110種類ほどが見つかっているようですが、特にタコの場合は寄生率が高く、全種類の8割に2,3種類の異なるニハイチュウが寄生していると考えられるので…全部で1000種ぐらいはいるんじゃないかと考えられているようです。
つまり、まだまだ知られていない種類がウヨウヨ。
それが証拠に、3月の飼育日記に書き込んだツノモチダコのニハイチュウ2種類も研究者に見て頂いたところ、どちらもホントにまだ知られていない種類でした(驚)
それで、更に新たな種類を見つけようと、ニハイチュウ探しに夢中になっているわけです。
さて、最近、深海底引き網漁船に乗せていただいて生物採集に行く機会があるのですが、その時も深海からタコが捕れます。
こんなタコです。
(セビロダコ Pteroctopus eurycephala でしょうか)残念ながら(ニハイチュウ探しには決して残念な状況ではありませんが)あまり長く飼育できずに死んでしまったので、死後すぐに解剖して腎嚢を顕鏡してみると…おぉ!泳ぎ回るニハイチュウがウジャウジャ!幼生もいっぱい見えます。もう一種類、こんなユニークな姿のも。
…なめこ?(笑)このタコは過去にまだ2個体しか手に入っていないので、このニハイチュウの種類はまだはっきりとしませんが、なかなかユニークな姿をしています。
また機会があれば、このタコ(と、ニハイチュウ)をじっくりと観察してみるつもりです。
(画像はメス、以前に捕獲した個体の標本)これ以外にも、現在、水族館にはニハイチュウの有無が調べられていないタコがもう一種類います。
こちらのタコのニハイチュウはどんな姿をしているのでしょうか?
タコが死んだら調べてみる予定です。