鳥羽水族館のクリスマス…「電撃ビリビリツリー」
その主役は、デンキウナギくん。
発電するたびに、1800個のイルミネーションが輝いてとてもきれい。
頑張って灯りをともしてるデンキウナギを眺めてると、
ある思い出がよみがえります。
もうかれこれ…ん年前のこと。
私は新入社員で飼育体験研修中。
その日、バックヤードで作業していると、先輩から指令が。
「次はこの水槽、ブラシ使って掃除しておいてな。」
「はい!」っと返事して覗いた水槽の住民は…
褐色で…
長く…
太い…。
「あの…これってデンキウナギ、ですよね?」
「あ、ようわかったね。そうそう」
「感電しないんですか?」
「ん…餌食べる時とかやないと、そんなに発電するわけちゃうで、大丈夫大丈夫!」
「わ、わかりました」
果たして、約1分後、
「ビシッ」と腕に鞭打ちされた様な衝撃を受け、悲鳴を上げる私
「あ、やられた!? ごめんごめん。でももうこれで当分発電できんから安心して掃除して」と先輩。
「ごめん」と言いながらも顔はニヤニヤ。おそらく狙い通りの展開だったのでしょう。
ちょっぴり先輩不信に陥りながらも、掃除再開…の約2分後。
再び悲鳴の私!
先輩を睨むと、もう笑いをこらえるの必死、って感じ。
もちろん、新入社員いじめとかじゃなく、
ちょっとしたイタズラのような感じだったのでしょう。
実際、研修期間が終わった後も、
その後水族館を退職されてからも
先輩はとても優しくしてくれました。
しかしながら…数年前、先輩は突然この世を去ってしまったのです。
発電のたびに輝く、カラフルなイルミネーションと
デンキウナギのどこか憎めない表情を見ていると
あの日のイタズラっぽい先輩の表情が想いだされます…。