本日は休みを利用してまた磯観察に出かけてきました。
今回は家族と一緒。まぁ、夏休みの家族サービスを兼ねて、といった感じでしょうか。いや、ホントはひとりで行った方が集中できるので良いのですが…(本音)
今回の目的はヒメヒトデ採集。大学の先輩からの依頼です。
このヒトデは特に珍しい種類ではないのですが、メスが卵を保護するという面白い習性を持ちます。繁殖期になると、メスは岩に引っ付いたまま腕をすぼめて壺状の保育室をつくり、その中で卵を保護するのです。
この習性自体は私も知っていましたが、今回、その様子を画像で検索して、あまりの可愛さにちょっとクラクラしてしまいました。
水族館でもその姿を展示できれば面白いだろうなぁ…(産卵は2~3月です)
先輩はこの繁殖行動を詳しく研究してみたい、とのことでした。
早々に目的を果たし、他にはこんな面白いものも採集できました。ツメウミウシでしょうか。体長6センチほど。私は初めて見る種類です。
ウミウシの仲間ではミドリアメフラシも見つけましたが、これも初めて見る種類でした。
2週間前には見つからなかった生き物は他にもいくつかいました。行くたびに新たな発見があるのが面白いですね。
その一つが、このヒメイソギンチャク。
普通種ですが、この磯では今回初めて確認しました。盤の直径7ミリほどでしょうか。
観察していて、何か白いものがイソギンチャクの表面を動き回っているのに気付きました。そこで正体を探ろうとヒメイソギンチャク1個体を採集してきました。
イソギンチャクの表面を動き回る白いもの(赤い矢印)、顕微鏡で観察してすぐにわかりました。
これはコペポーダ(ケンミジンコ)の仲間です。左の個体は後端に2つの卵塊を付けていますね。このコペポーダはイソギンチャクの表面を動き回るばかりで、棒でつついてもそこから離れていこうとはしません。おそらくイソギンチャクに強く依存した生活を送っているのだろうと思われます。
こんな小さな生き物をじっと観察しているので、磯観察中に家族が何か話しかけても私はほとんど聞いていません…(笑)
そして、こんな小さな生きものの暮らしぶりに、いつもワクワクさせられます。
この興奮を水族館の展示でうまく再現できれば楽しいだろうと、考えますが、なかなか難しいですねぇ。