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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

イトゴカイの仲間でした

先月14日にへんな生きもの研究所のアパート水槽で孵化した多毛類を冷蔵庫で育てています。

 

孵化から1週間は何の仲間か見当がつかないまま…

7月20日の姿

小さな目がなかなかキュート!な7月21日。

よく見ると体節に剛毛が生えているのがわかりますね。

多毛類によく見られるいぼ足はほとんど目立ちません。

 

多毛類の同定はかなり難しいという印象があってこれまで敬遠していましたが、こんなかわいいコに出会ったら名前ぐらいは知りたくなるもの。

配合餌料を食べて順調に成長しているので、そろそろ正体を突き止めるべく、多毛類の研究者に問い合わせてみました。

結果、このコは頭部(口前葉)に突起などがなく、目は1対あるように見えることから、予想されるのは次の2グループだそうです。
①イソメ目のギボシイソメ科もしくはセグロイソメ科
②Scolecida(和名なし)のイトゴカイ科もしくはタマシキゴカイ科
この2つのグループを区別するポイントになるのは、顎の有無と、剛毛の形態だそうです。

 

イソメ目であれば、頭のあたりに4-5対 ほどの複雑な顎を持つそうですが、このコにはどうやらそれらしいものは見当たりません。

一方のScolecidaだと、顎を持たず、肉質の吻を口から出し入れするそうなので、あぁ…このコはどうやらこちらのようですね。

 

それでは、Scolecidaのイトゴカイ科、タマシキゴカイ科のどちらでしょうか?これを区別するのはポイントは剛毛の形態だそうです。

 

あらためて顕微鏡で観察してみます…

下の画像は第2~第4体節の拡大したものですが、第3体節と第4体節の剛毛の形態が異なるのがわかるでしょうか?

結果を先に言えば…

第1から3体節に有翼針状剛毛があり、第4以降に被嚢鉤状剛毛があるようなので…どうやらこの可愛いコはイトゴカイの仲間のようだ、とのこと。

これ以上は成長した姿を調べないと判別できないそうです。

しばらく冷蔵庫の中で成長を見届けることにしましょう。

 

7月27日の姿。体長5㎜ほど。

そして、8月1日

お!第1~第3体節の剛毛の本数が増えている!?そんなちょっとした成長、変化が楽しみな毎日です。

大人になったら、どんな姿になるのでしょうか?

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