前回の飼育日記で福岡県のマリンワールド海の中道さんからウミサボテンCavernularia elegansを頂いたと書き込みましたが、こちらは毎朝、元気良く伸びています。
夜行性である彼らは、夜に伸長します。
日中は砂の中に潜って姿が見えないので、この水槽では夜間に照明を点灯し(昼夜逆転状態)、開館時間中に伸びるようにしています。
上の画像は開館直後の様子。
既に良い感じに伸びていますが、これも夕方4時頃になると徐々に砂の中に潜りはじめます。
さて、実はこの水槽にはもう一種ウミサボテンの仲間がいます。
今は1個体だけになってしまいましたが、広島県の宮島水族館さんからいただいたアカウミサボテン属の一種 Veretillum sp.がそれです(あちこちからいただいてばかりで恐縮です…)
このアカウミサボテンも夜行性ですが、何故か昼夜逆転状態に順応しておらず、日中は完全に砂の中に潜っていて全く姿が見えません。
そして、ウミサボテンが隠れ始める夕方になってようやく顔を出し始め…
誰もいない夜、煌々と照らされた照明の下で静かにグンと伸びるのです。
あぁ、美しいのにもったいない。
せめて、画像だけでもその姿を見てやって下さい。
ちなみに、ウミサボテンもアカウミサボテンも鳥羽近海にも生息しますが、このあたりでは生息環境の悪化からか個体数が減少しているのが実情です。
【飼育研究部 森滝丈也】