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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オオグソク胚 その2

3日前の話になります。

 

1週間前に取り出した発生中のオオグソクムシの卵の変化を見ようと、顕微鏡を覗いてすぐに異変に気が付きました。

前回、あんなにはっきり見えていた胚が判らなくなって、卵自体も軟らかくしまりがなくなっていたのです。

どうやら、胚の発生が止まって(卵が死んで)しまったようです。

放っておいても発生は進むだろうと気楽に考えていましたが、どうやらそう簡単なものでもなさそうです。

親から取り出したときの衝撃で死んでしまったのか、もともと母親の世話なくしては育たないものなのか…。いずれにしても厳しい状況です。

私だって、チビグソクはきっとカワイイだろうと思っていますし、孵化するのがとても楽しみなのですが、それとは別に、オオグソクムシの胚発生がどのように進むのか明らかにしたいとも考えています。観察の機会が少ないだけに、できるだけきちんとデータを取りたいのです。

そこで、もう1卵だけ親から取らせてもらうことにしました。今回は胚の状態を確認してすぐにアルコールで固定することにしました。

放っておいてダメにするよりも、少しでもデータが取れる状態で固定した方がマシに思えたからです。

採卵はこんな感じ。矢印が示す、黄色い玉が卵です。

↑ここまでが3日前の話。

ところが、昨日あたりから事態が急展開したのです。

実は、母親の状態が急に悪くなり、今日になって残念ながら死んでしまったのです…。

(はっきりとした理由はわかりませんが、飼育しているとオオグソクムの全身が血の気が引くように白くなり、数日後にはそのまま死んでしまうことがあります)

…残念。

幸い、母親の保育嚢の卵は生きていました。早速全部をそっと取り出してみました。先に取り出した2個の卵も合わせて、全部で17個ありました。

今度こそ、なんとかして可能な限り長く育てて、胚発生の過程を少しでも明らかにしていきたいです(あまり自信はないけど…)

1つをそっと観察してみると、前回見た胚に比べて更に少しだけ発生が進んでいるようにも見えましたが、どうでしょう?

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