オウムガイ類の繁殖行動は「交接」で、オスが交接腕を使ってメスに精包を手渡します。
精包の中には30cm近くある長い精莢(せいきょう)が入っていて、その中に精子がつまっています(画像はオオベソオウムガイのもの)
メスはオスの精包を口の下あたりにあるValenciennes器官で受け取ります。
さて。
10月に入館したパラオオウムガイ達。
交接は未だ確認できていませんが、先日№85(メス)のValenciennes器官を調べてみると、オスから受け取った精子(精莢)がはっきりと確認できました(矢印)
…と、いうことは、どうやら見ていないところでちゃんと交接しているようですね。
う~ん、それなのに、なかなか産卵しないのは何故なのでしょう。
こちらは殻の中をのぞいて見える包卵腺(クリーム色の部分)。
かなり成熟しているように見えますが…
ヤキモキしながら産卵時期を待っています。
今回はオウムガイの話題にもかかわらず、そうは見えないマニアックな画像ばかりで失礼しました(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】