さて、いつもお世話になっている三重県紀伊長島の深海トロール漁船に乗せていただき、生物採集に出かけてまいりました。
今回は、足掛け2年、8回目の乗船で初めてあの生物の採集ができました。
それは夢にまで見たオオグソクムシの抱卵個体(既に孵化して幼生になっていますが)。
帰館してさっそくへんな生きもの研究所で展示を開始しました。
迫力のオオグソクムシ母さんです。
深海からへん研の分娩室に運び込まれたかたちになりますね(笑)
グソラーの皆さんはご存知でしょうが、オオグソクムシのメスは交尾後脱皮すると第1~5歩脚の付け根にある覆卵葉が伸びて重なり合い、保育嚢を作ります。ここで卵を孵化するまで保育するのです。
この個体はすでに卵は孵化して幼生になっているので、間もなく幼生がこの母さんから出てくると思われます。
うまくすれば、開館中にお客様の前で「出産」もあり得ますね。楽しみです。
最近、水槽内でオオグソクムシの赤ちゃんがが生まれたというニュースはいくつかの園館さんで耳にしますが、当館では初めてのことになるので、いまから楽しみです。