昨年4月、紀伊長島沖の水深200〜300mで採集した、珍ウニ「カサアシガゼ」。
へんな生きもの研究所で、状態良く飼育を続けています。

この仲間は分類上の位置付けがはっきりしないようですが、近年では2種のみからなる「カサアシガゼ目」という単一目が設けられています。
カサアシガゼ類最大の特徴は、殻の上部にある一部の管足の先端が、傘のような形に変わっていること。どことなくエノキ茸にも見えます。

そんな他のウニでは見られない奇妙な管足ですが、実はその役割はまだよく分かっていないとか。
記載当初は「ヨコエビなど小さな動物を捕まえるのでは?」と考えられたこともあったようですが、これはどうも誤りのよう。
気になりますよね。
そこで試しに給餌の際、ピンセットの先でそっと刺激してみました(※強いストレスにならないよう注意しています)。
すると…傘状の管足をこちらに伸ばしてくるではないですか!

見るとピンセットの先にちぎれた傘状の管足が何本か付着していました(管足は再生力が高く、しばらくすると元に戻ります。ご安心ください)。

実際にどの程度の効果があるのかは分かりませんが、今回の反応を見る限り、この特徴的な管足は身を守るために使われている可能性もありそうです。
もしかすると、これまであまり注目されてこなかった新しい発見かもしれません。
飼育・観察を続けます。
【飼育研究部 森滝丈也】






