今回はトリカジカエラモグリの話題です。
本種は2016年に熊野灘などで採集された個体をもとに新種記載されました。学名に私の名前を付けてもらったこともあり、個人的に「推し」のウオノエ類です。
トリカジカの鰓腔内に寄生。
オスとメス(右)
マンカ幼生
詳しくはこちらhttps://aquarium.co.jp/diary/2016/12/27689
そんなトリカジカエラモグリですが、このたび、所属がかわり、学名がSandythoa moritakii (Saito & Yamauchi, 2016)になったそうです。
元々はElthusa属の一員でしたが、新しく設立されたSandythoa属にElthusa属の数種と共に移動したという格好です。
わかりやすく言えば、似たもの同士のクラス分けを再編成、といった感じでしょうか。
ちなみに和名は変わりません。
こういった変更は決して珍しいことではありませんが、自分自身が関わった生物の所属が変更されることは初めてです。さらに研究が進めば、また所属が変わるかもしれません。
ちょっと困るのは、館内で紹介している展示ラベルや、これから発行する機関誌や年報などの原稿など、以前の学名のままで紹介していた箇所を全て修正しなければいけないこと…。
ちょうど今、諸々の原稿を校正しているタイミングなので、ちょうど良かったと言えばそうなのですが。
【飼育研究部 森滝丈也】