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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

平凡飼育員と人間的美学

平凡飼育員と人間的美学

どうも平凡飼育員です。緑の(タグカラーね)アイル氏やホワイトイエローのおもち氏が擦り寄ってきてくれるので爆モテ飼育員などと謳っておりましたが、おもち氏がコウ氏とペアになりましたので私は平凡ペンギン飼育員へと降格いたしました。

ところで、コウ氏は繁殖目的で新江ノ島水族館から来てくれた個体なので、おもち氏とのペアリングは願ったり叶ったりなのですが、どうも雲行きが怪しくなってきました。というのもおもち氏が複数のペンギンと交尾している可能性が出てきたからです。

フンボルトペンギンは血統管理と言って、繁殖しても良い組み合わせというものがあります。しかし複数個体と交尾が確認される場合は、どれが雄親なのか分からなくなり、管理するこちら側からすると頭を抱える問題となります。

ご存知の方も多いと思いますが、ペンギンはペアを作ると一生を寄り添うと言われています。水族館のペンギンでもそのようなペアは存在しますが、複数の雌とペアを組む雄も普通に居ます。

相変わらず私のことを追いかけてくる緑のアイル氏も、とんでもない勢いで毎日私についてくる割には、他の人に「あなたでも良いですよ」的な態度をとったりします。

このような実例を目の当たりにすると、「一生を添い遂げる」という謳い文句は人間の美学が先行して生み出したものでないかと思ってしまいます。

【飼育研究部 つじ】

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