当館で飼育しているメスのシロワニ(2007. 6. 15入館 メス)。ちなみに名前はありません。
鳥羽暮らしも16年になる彼女ですが、最近、少し不思議な行動をするようになりました。
それは、夜間、水槽の底面でじっと静止する着底行動です。頻繁に見られるものではありませんが、先日も見かけました。
去年の12月、この行動に初めて気付いた時は夜じゅうずっと着底していたようです(朝、照明が点けば泳ぎ始めることがほとんどです)。
それまでは昼も夜も泳ぎ続けていたので、実際のところ、これがシロワニ本来の習性なのか、よくわかりません。
シロワニを多く飼育している他の水族館に問い合わせてみると、そこでも着底行動は稀に確認されるそうです(一安心)。ただ、着底の時間は長くて2~3分程度。当館の例のように長時間ではないそうです(ちなみに、やはり着底行動の理由はよくわからないそうです)。
自然下でも海底洞窟内などで着底行動は確認されているので、もしかしたら休憩?
ただ、潮の流れがある場所では、着底しても呼吸可能だと思いますが、水流が弱い水槽内で着底して息苦しくならないのでしょうか?
着底時に見ると、ゆっくりとエラを動かしているので、おそらく自発的に呼吸しているのは間違いないのですが…。
長時間の着底行動について情報がないだけに、今、興味深く観察を続けています。
【飼育研究部 森滝丈也】