私の胸を焦がすマイナー生物のひとつ、シダムシ(シダムシはヒトデの体腔内に寄生する甲殻類で、身近な生物だとフジツボの仲間に比較的近縁です)。
今年2月に新種記載されたのがユミヘリゴカクノシダムシDendrogaster tobasuii(鳥羽水族館に献名)。本種はユミヘリゴカクヒトデとウデナガゴカクヒトデに寄生します。
実は、シダムシの生態はわからないことばかり…
昨日の夕方、予備水槽のウデナガゴカクヒトデの口からシダムシが出ていることに気が付きました。
普段、ヒトデの体腔内で生活しているシダムシですが、こんな風にシダムシがヒトデの口から出ている場面に遭遇したのは2回目です(前回は2016年7月22日、前回の様子↓)2017年にヒトデの口から出てきたシダムシ
どうやら、普段はヒトデの体腔中で静かに生活しているシダムシですが、成熟するとヒトデに異物と認識されるのか、ヒトデから排出されるようです。これは成熟したシダムシが放卵するための戦略だと思われますが、詳細は今後の観察で明らかになるでしょう。
今回はしばらくこのまま観察します。数日間は生きたユミヘリゴカクノシダムシDendrogaster tobasuii を見るチャンスかも!(へんな生きもの研究所・アパート水槽で飼育中)
【飼育研究部 森滝丈也】