早速、へんな生きもの研究所のアパート水槽13号室に入室しました。
よく見ると、このカエルアンコウは大きなコブがいくつもついていますね。
実は、このコブの正体はコブトリジイサンSarcotaces pacificusという寄生性カイアシ類の一種(甲殻類)です。ドングリの様な姿(メス)をして、カエルアンコウの皮膚の下に寄生する習性があります。
ユニークな和名は、本種の寄生を受けたカエルアンコウの姿がおとぎ話の「こぶとり爺さん」を連想させることに由来するそうです。確かに…
同じ日に入館した別の個体はさらに「こぶとり爺さん」状態でした。
こんなに寄生されて邪魔じゃないのか?と心配になってしまうほどですが、むしろ寄生されていない個体を見かけることの方が少ないくらいなので、カエルアンコウにとってはこれが普通の状態なのかも知れません。
気持ち悪いと思われた方はごめんなさい。
でも、彼らも生態系を構成する大切な命のひとつ。その習性や進化を考えると、私にとっては気持ち悪いと言うよりも興味深い存在に思えてくるのです。
【飼育研究部 森滝丈也】