昨日、6月下旬の沖合底引き網で採集したヒタチオビの卵嚢から5匹の稚貝が孵化しました(ニクイロヒタチオビ?)。鳥羽水族館でヒタチオビの仲間の孵化は今回が初めてとなります。
同じような卵嚢は3年前から見つけていましたが、長らく正体不明…今回、かなり発生が進んだ卵嚢を採集することができたので正体が明らかになりました。
正体が判明してからずっと孵化を楽しみにしていました。
昨日の朝、空になった卵嚢を発見した時、付近に稚貝の姿は見当たらなかったので少し焦りましたが、すぐに底砂の中に隠れた5匹を見つけることができました。
ちなみに、生まれたばかりの貝は親と異なる形をしていることが多く、成長に伴って親と同じ姿になります。
貝は種類によって生まれた頃の貝殻(胎殻)がはっきりと残るものがいますが、このヒタチオビの仲間もそう。殻の先端にポッチのような胎殻がはっきりと残っています。
今回の稚貝はどれぐらいで親と同じ姿になるのでしょうか。調べた限りヒタチオビ類の孵化・成長に関する報告は見当たらないので、今後の成長が楽しみです。
【飼育研究部 森滝丈也】