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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

パラオオウムガイの胚発生を確認しました

去年に10月に入館したパラオオウムガイ。

2ヶ月間は生息水温に近い17.0℃で管理していましたが、産卵誘発のため、16-17.0℃だった水温を20.0℃ほどに上げたところ12月から産卵開始!今は18.0℃まで水温を下げていますが、現在も時々産卵しています。

昨日は水槽に潜って壁面に産み付けた卵の回収を行いました。水槽の外から確認していたのは5個だけでしたが、実際に潜ると、9個も見つかりました(驚)

見つからないようにしているのか、どうも目につきにくい場所に産み付ける傾向がありますね。

仕切り板のすき間から向こう側に産み付けたり…

ついでに去年12月に産んだ卵の発生状況をチェックしましたが、産み始めの3卵は未受精だったようで、すでに腐敗して中身がなくなっていました。

ところが、12/30に産んだ4卵目は…おぉ!発生が進んでいるではないですか!

オウムガイ類の卵は外殻と内殻が二重になっているので、外殻をはがして内殻を少し開けば、内部の胚を見ることができます(少しだけなら胚に支障はありません)

白く見えるのが胚殻で、黒く見えるのは初期の胚殻の跡(cicatrix)です。

当館では、これまでにオウムガイは162匹、オオベソオウムガイは62匹孵化していますが、パラオオウムガイの胚発生を確認したのは初めてです!少し気が早いですが、孵化が楽しみ(孵化は秋以降の予定です)

参考までに、こちらは以前撮影したオオベソオウムガイの胚です(2013年撮影)

今回の胚よりも少し発生が少し進んだ状態。胚の足原基は5対ですが、この時期になると細かく分化し始めます(赤矢印)

【飼育研究部 森滝丈也】

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