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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

スイクチムシ熱は続行中!

昨晩の飼育日記はうまくFacebookと連動しなかったようですが、なかなか面白い生物をたくさん採集できました。

是非へんな生きもの研究所にお越し下さい。

 

さて。

お伝えしたように昨日は熊野灘の沖合底引き網漁船に乗船させていただき生物採集を行ってきました。

目当てはいろいろありますが…その一つがスイクチムシ(笑)

もう既にみなさんはご存知だとは思いますが、スイクチムシは主にウミシダで見られる寄生生物で、見かけからは想像つきませんが実はゴカイなど同じ多毛類(環形動物)の一員。

ヒトデ類に内部寄生するAsteriomyzostomum属の既知種は2種しかいませんが、昨年は熊野灘の沖合底引き網で採集したヒトデ3種(ウデナガゴカクヒトデ、ヒメヒトデの一種、カンムリヒトデ)から計3種の未記載種スイクチムシを相次いで確認して興奮しています(ちなみに既知種は地中海とアメリカ西海岸から見つかっているようです)

そのカンムリヒトデのスイクチムシはこちら(矢印)

昨日は追加標本を得るために底引き網の漁獲物の中からカンムリヒトデを探したわけですが、スイクチムシが寄生した19個体を調べたところ、ほとんどの個体で寄生していたスイクチムシは1匹だけ。

2匹見つかったのは2個体のみでした(この2匹のスイクチムシが同種か違う種かは調査中)

また、今回は色々な面白い生物が採集できましたが、その中には普段あまり良い状態で採集できないトゲニチリンヒトデが4匹も。

さっそくへんな生きもの研究所へ。

 

ところが…採集時や搬入時には全く気がつかなかったのですが、今朝このトゲニチリンを見て驚きました!

ヒトデの口から歩帯溝にかけて何やらピンクのものが出ているじゃないですか!

拡大して、正体を確信しました…

そう、まさにこれはスイクチムシ(おそらく間違いないです)

スイクチムシは4個体のヒトデの内、2個体で確認できました。

片方のヒトデは既に弱っていたのでこれを解剖してスイクチムシを観察してみることに。

…あぁ、これは確実にスイクチムシだわ。 それもこれまでとかなり姿が違う…もしかしたら別属かもしれない。

詳細はさらに詳しく観察してみないと明らかになりませんが、これもまだ知られていない未記載種である可能性は高そうです。

…鼻血が出そうです(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

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