前回の飼育日記で、交接腕を見れば雌雄判別が可能だと書き込みましたが、通常は交接腕ではなく、ペニスの有無を確認しています。
交接腕は成熟するまでは目立たず、成熟しても触手に隠れて確認しにくいからです。
水から取り出してひっくり返すと軟体部が下がってくるので、殻と軟体部の間をのぞきます。
雄であればペニスが見えます。
このペニスから精包が出るわけですが、どうやって交接腕まで到達しているのかは…よくわかりません。
雌だと下画像のように見えますね。
殻の奥に見える黄色い部分が包卵腺(卵殻をつくる器官)
包卵腺は若いうちは透明で目立ちませんが徐々に黄色みを帯び、「熟女」クラスになると緑色になります…
この方法であれば確実に雌雄判別することができます。
ところが、あまりに若い個体(1~2歳以下)だと軟体部が軽すぎてひっくり返しても下がってこないので、この方法は使えません。
それでこれまでは若い個体の雌雄判別は死亡後しかできなかったのですが、この方法に前回紹介した方法を組み合わせれば、どの年齢であっても生きているうちの雌雄判別が可能になりそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】