今年の春に鳥羽の菅島の漁師さんからいただいたキサンゴの仲間を予備水槽で飼育していました。
特に珍しい種類ではないのですが、この個体は形が良く可愛いかったので贔屓にして囲っていたのです(笑)
僕のような一部のアラフォー男子は、こんな形を見るとウルトラ怪獣ブルトンをついついイメージしてしまうんですけど、若い人はどうなんだろ?
ともかくなかなか良い形です。
予備水槽で調子が良かったのでこのたび展示水槽へお引っ越し。
引っ越しするにあたり、このキサンゴの正式な種名を知りたいと思い、知り合いの研究者に問い合わせてみることに。
この仲間の分類は混沌としていて、私が見ると迷うことがしばしばなのです…
すぐに返事があり、このキサンゴの学名はDendrophyllia ehrenbergianaだと判明。
よく目にする種類ですが、和名は無いそうです。
カタカナで読めばデンドロフィリア・エーレンベルギアナでしょうか。
どうやら、この種類はよく似たイボヤギTubastraea faulkneri や、ヒメイボヤギTubastraea coccinea と混同されてきたために和名が無いようです。
見慣れると雰囲気が全然違うことがわかるんですけどね。
ポリプが開くとこんな感じ(機嫌が悪いらしく、展示水槽ではまだポリプを開いてくれません)
火の玉みたいで良いですね。
ちなみに研究者さんは、このコは2つの群体が組み合わさったものだと思いますよ、と答えてくれました。
さすがです。
【飼育研究部 森滝丈也】