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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

オオグソクムシ幼生の展示を終了しました

へんな生きもの研究所で去年の8月に孵化したオオグソクムシのマンカ幼生を展示していましたが、本日最後の1匹が死亡したため展示終了となりました。

残念です。

これが生存時最後の写真となってしまいました(7月21日撮影)

やはり、マンカ幼生の飼育は難しいですね…

 

実は、オオグソクムシの孵化(孵出)は当館以外では、私の知る限り、愛知県の竹島水族館さんで2例、静岡の沼津港深海水族館さんで1例しかありません。

どれも水槽内で産卵したものではなく、既に抱卵中の個体が入館後幼生を産んだ(孵出した)ものですが、やはり幼生の長期飼育には成功していないようです。

 

ここで当館のオオグソクムシの誕生シーンを振り返ってみましょう。

母親の覆卵葉の中で活発にモゾモゾと動き回るマンカ幼生(2014.8.16)

母親は衰弱激しく翌日に死亡…

ちなみに竹島水族館さんの1例、沼津港深海水族館さんの1例でも母親は子どもを産む前後に弱って死亡しているそうです。

2014.8.17に生まれたマンカ幼生は全部で18匹。

先に生まれた7匹(すぐに死亡)を合わせると、この母親は25匹の子どもを保育していたことになります。

また、この個体とは別に、過去に卵を抱えたオオグソクムシが入館したことがありましたが、その時の卵も25 個でした。

オオグソクムシはだいたいこれぐらいの数の卵を抱えるものなのかもしれません。

今年の6月にはきれいに脱皮しました(今回死亡したものとは別個体)

成体のオオグソクムシは体の後ろ半分を脱皮したあとしばらくして、前半分の脱皮が始まりますが、マンカ幼生は一気に全身脱いでしまうようです。

今回の飼育を通じて彼らの生態が少しだけ(本当にわずかな程度ですが)わかってきました。

抱卵雌は滅多に採集されないので幼生飼育にチャレンジする事自体なかなか難しいのが現状ですが、今回の経験を生かして、いつか長期飼育に成功したいものです。

【飼育研究部 森滝丈也】

 

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