今、この飼育日記を書き込んでいる最中に「キンチャクガニはどこにいますか?」との問い合わせ電話を受けました。
なんというタイミング…(笑)
案外人気があって、時々問い合わせを受けます。
キンチャクガニは現在、へんな生きもの研究所のアパート水槽で展示しています(1個体だけですが)
想像よりもサイズが小さいのでなかなか目に付きにくいようです……
甲幅1㎝ほどでしょうか。
キンチャクガニはイソギンチャクを持つ姿がかわいいのですが、このイソギンチャクがなかなか興味深い。
以前にも飼育日記で紹介したことがあります。
(2012年1月14日の日記)
『…キンチャクガニが持っている「カニハサミイソギンチャク」は、不思議なことに単独では見つからないそうです。いつもカニが持っているのです。
広~い海でカニとイソギンチャクがどうやって出会うのか?このイソギンチャクは単独では生活できないのか?大きな謎でした。
それが最近になって、カニハサミイソギンチャクの正体が、どうやら「カサネイソギンチャク」という全く姿の違う種類だということが分かったようなのです。
カニが挟むことでイソギンチャクの形が変わってしまうようです。興味深いですね。
これまでは、カニがイソギンチャクを無くしても代用品はなかったのですが…もう大丈夫!カサネイソギンチャクならサンゴ水槽にいくつか自然発生しています。
展示ではカサネイソギンチャクと一緒に展示してみました。画像のうしろにある変なイボイボ・イソギンチャクがそれです。』
参照)柳研介,岩尾研二(2012)キンチャクガニLybia tessellataが保持するイソギンチャクの謎. みどりいし(23)31-36
…などと、カニとイソギンチャクの不思議な生態を紹介したわけですが…
どうやら、持つのはカサネイソギンチャクに限らないようです。
これは今朝撮影したキンチャクガニ。
右手には不釣り合いに大きなイソギンチャク…
しばらく前から水槽の中に生えている「セイタカイソギンチャク」を挟んでいるのです。
左側の小さな方はセイタカイソギンチャクなのか不明ですが、カサネイソギンチャクの場合と同じようにカニが挟むことでイソギンチャクの形態が変化したのであれば興味深いですね。