テヅルモヅル(セノテヅルモヅル)の成体に幼若個体が付着していることがあります。
観察例が少なく、付着の理由ははっきりしませんが、大きな個体に付着することで餌を分けてもらったり、自分の身を守っているのではないかと、推測しています。
すねかじり的な行動とでも言えるでしょうか。
私はこの幼若個体を「モヅ子ちゃん」とよんでいるのですが、へんな生きもの研究所で飼育しはじめてもう1年以上になります。
少しずつ成長しているので、いつかは成体から離れると思います(どのタイミングで離れるのか興味ありますね)
普段は成体の裏側の目に付きにくい箇所に付着していることが多いモヅ子ですが、昨日は珍しくよく見える位置にいました。
見ると、モヅ子は成体の口に腕をずっぽり突っ込んでいます。
餌を横取りしているのでしょうか?
口だけではなく、成体の腕の付け根に開口する生殖裂孔にも腕の先端を突っ込んでいます。
ここに腕を突っ込んでいるということは餌の横取りだけではなく、生殖巣の一部を食べているのでしょうか…(詳細不明)
この日は給餌日だったので、成体にオキアミを1匹与えました。
成体はモジャモジャと腕で餌を巻き取ると、口の中に押し込んでいきます(モジャモジャでよく見えませんが…)。
普段はもっと小さな生きたアミ(エビに似た甲殻類)を与えています。
モヅ子もモジャモジャの腕に隠れて見えなくなりました。
そして、夕方…
成体が少し変わった体勢になっていました。
どんな表現が適当なのか、細かく枝分かれした腕の先端を太い腕にまとわりつかせた格好…
餌を与えた後(翌日)にこの姿になることが多いように思えます。
もしかしたら摂餌行動(あるいは消化)に関係があるのかもしれません。
しかし、他の個体でこんな姿になった記憶はないので、もしかしてモヅ子の付着と関係あるのかも(ないのかも)しれません
まだまだわからないことばかりなので、観察続行中です。