昨日、久しぶりに磯採集に行ったと書き込みましたが、お目当ては去年の8月に採集したきりのムシモドキギンチャクの仲間。
採集地点もはっきりしているのに、なぜか見つけたのはその時一度だけで今回も空振り…
あれ以来ずっと探しているのですが、なぜか全然見つからない…
本種は小型のイソギンチャクの仲間(ムシモドキギンチャク科)でどうやら未記載種(名前が付けられていない)のようです。
研究者から聞くところによれば、カイメン(こちらも未記載種)と共生する、なかなか興味深い生態があるらしい。
これまでに神奈川県と新潟県でのみ生息が知られており、新たに見つかった鳥羽がどうやら3つ目の生息地であるらしい…ところが、2回目以降が採集できず…
まさに一期一会。
↓イモムシのように見えるのは、このイソギンチャクの匍匐性プラヌラ幼生。
ゆっくりと岩の上を這い回ります。
群体のサイズは小さくなりましたが、このムシモドキギンチャクの仲間は「へんな生きもの研究所」で飼育継続中です。
おそらく展示は日本で唯一。
もうひとつ、一期一会な生きもの。
それは2011年に鳥羽の菅島沖で採集されたスジヒメボヤ。
漁師から持ち込まれ、研究者に問い合わせたところ本種であることが判明しました。
日本に分布するスジヒメボヤ属唯一の種で、それまで知られていたのは福島県と石川県のみ。
まとまった個体数が採集され、鳥羽にも分布することが判ったのですが…本種もそれ以降、採集報告がありません。
先日、研究者からの問い合わせを受けて久しぶりに採集した漁師に確認したのですが、やはり捕れたのはあのときだけだったらしい。
採集地点は毎年漁師がカレイの刺し網を仕掛ける漁場で、前回も刺し網にかかってきたのですが…何故?
生息場所が限られているのか、個体数に季節変動があるのか…?
ムシモドキギンチャクの仲間もスジヒメボヤも、奇しくも鳥羽が3つ目の生息地だと判明した生物。
虎視眈々と2回目の採集を狙っているのですけどね。
採集できたら、へんな生きもの研究所で展示したいですね。