水深200~300mの海底に沈む木の表面に、こんな小さなウニが見つかることがあります。
沈木上に生息する深海性ウニ Prionechinus forbesianus (和名なし)です。
殻径は1cmほど。
おそらく沈木(あるいはその表面の付着物)を餌にしていると思われます。
現在、4匹を「へんな生きもの研究所」で飼育しています。
ピンクウニの俗称を持つぐらいで、棘を取り除いた殻は赤みがかってなかなか美しいのですが、サイズが小さくて、おまけに普段は沈木の陰にじっと隠れているのでほとんど姿を見ることはありません。
ところが。
そのめったに姿を見せないはずのPrionechinus forbesianus のうちの2匹が、数日前から沈木の陰から表側に出てきているのです。
それも、なぜか大小2匹が鏡餅のように重なっています…
少なくとも数日前からずっとこの体勢です。
これって、もしや繁殖行動…?
(いえ、もちろんこんな風に重なって繁殖するウニなんて私は聞いたことはないのですが…)
でも、重なった上に、普段は隠れている沈木の陰から出てきているなんて確かに意味ありげ。
これはもう少し観察をしてみなくては。
何と言っても深海の特殊な環境に生息するウニですから、もしかしたら面白い結果が待っているかもしません。
期待しつつ…。