先日、三重県尾鷲市で捕獲された体長65㎝のネズミフグが水族館に搬入されたのですが、残念ながら死亡しました。
そういや、さかなクンがフェイスブックでネズミフグに寄生虫がいた、とか書き込んでいたなぁと思い出し、解剖していたたかむらさんに見つけたら取っておいて下さいとたのんだところ…
3匹いました!(あとで確認したら、さかなクンが見つけたのはハリセンボンに寄生していたウオノエ科でしたが)
こちらの白い個体はウオノエ科の一種。↓
私の指の太さは2センチなので、かなり大きな種類ですね。
コイツはネズミフグの口腔内にいました。
雌雄が一緒に寄生していると聞くので小さな個体はオスかもしれません。
ウオノエ科の仲間は寄生性で魚に取り付きやすいように胸脚がすべて鎌状になっています。
口器は退化しているそうですが、眼も退化しているみたいですね。
一方、こちらはグソクムシ科の一種のようです ↓
グソクムシ科も寄生生活者ですが、魚に取り付いて体液を吸い満腹になると魚体から離れて海底に転がる…といった面白い習性があるようです。
胸脚の前3対は把握型で、残りの4対は歩行のための脚になっています。
つぶらな瞳がかわいいですね。
ちなみに、今ブームになっているオオグソクムシやダイオウグソクムシは自由生活者のスナホリムシ科で別のグループの一員です。
「グソクムシ」の名が付いているのでややこしいですけど。
このウオノエは、後日、研究者に同定していただいた結果、Cymothoa pulchrumもしくはその近縁種だと判明しました。