先日の午後、改札から電話…
『中村さんに面会の人がいらしてます』と。
『知り合いが訪ねてくる予定はないけどなぁ…』と改札へ行くと
懐かしいおばちゃんの姿が。
もう約20年も前でしょうか…
世の中の流行に乗って、雪が降ると毎週のように
スキーに出掛けてた時期がありました。
その頃何度もお世話になった岐阜県の民宿のおばちゃんでした。
『とても素敵な民宿があるから』と、他の水族館スタッフを次々誘っては
何度も泊めていただきました。
退職した人も含めると20人くらいの水族館スタッフがおじゃましてるかな…。
そのたび『鳥羽水族館の人たちが来てくれるとね、
ジュゴンやラッコやいろんな海のお話が聞けて、楽しみで楽しみで』と
喜んでくれてたおばちゃん。
でも時の流れと共にスキーに行く回数も減っていき、
いつしか何年もお会いしてませんでした。
数年前、おばちゃんが民宿も辞め、入院しているとの報せを聞き、
やはり何度も泊ったことのある、けがに氏とお見舞いに。
ベッドで寝たきりのおばちゃんは、ちょっと痛々しかったけど、
とても喜んでくれました。
『鳥羽水族館、いっぺん行きたかったんだけどさ、
足も悪くて、これじゃね…』というおばちゃん。
『足悪くても、車椅子でお出かけできるようになったらさ、
鳥羽水族館は楽に見て回れるから、
俺らが押して回ってあげるから、絶対元気になって、水族館来てよ。』
と別れたのでした。
そして先日の午後…。
車椅子どころか、『ほら、こんなに元気になった!』
と飛び跳ねてみせるおばちゃん。
『やっと病気が治りかけた頃、次は骨折しちゃってね、
さすがに、もう~だめかと思ったんだけど、
元気になって鳥羽水族館行くって約束したからさ、
鳥羽水族館の生き物たちに会いたかったからさ、がんばったんだよ~。
ジュゴンも魚もかわいいねぇ。素敵なとこだね~。また来るよ!』
と笑顔で帰って行きました。
何年も何年も、鳥羽水族館への想いを忘れずにいてくれたおばちゃん。
病気回復の一助に、鳥羽水族館がなったとしたなら、とても嬉しく思うのです。