3月に新種デビューしたばかりのイッスンボウシウロコムシ。
熊野灘の漸深海帯に生息し、ジンゴロウヤドカリが背負う貝殻(ヒメキンカライソギンチャクも共生)から見つかることが多く、メスの背中に小さなオス(矮雄)が隠れる興味深い生態が明らかになっています。
6年前に発見してから今までに確認したのは11匹(おそらくペア)。現在2ペアを飼育・展示しています。
このうち№8が最長飼育記録を更新中(現在、飼育19ヶ月目)。飼育を通じて生態解明に挑んでいます。
さて、先日の飼育日記で、ジンゴロウヤドカリを新規導入したところ、アカモンヤドカリの貝殻にいたイッスンボウシが即座に引っ越した…とお伝えしましたが、それが、この№8です。
ところが…
あまり居心地が良くなかったようで、数日後にはジンゴロウヤドカリを離れ、№8は水槽の隅を徘徊していました。あらら…。
そこで小水槽に移動してみることに。
すると、そこにあったジンゴロウヤドカリの貝殻に入り込み、今もずっとここにいます。今回はどうやら居心地が良いようですね。
ところで、この小水槽では№8が来る前から別のイッスンボウシ№11を飼育しています。ところが、何故か№11はこの貝殻は利用しません。他にも両者の行動パターンは少し異なる印象なので、引き続き観察していきます。
【飼育研究部 森滝丈也】