当館では週2回ある給餌の際、オウムガイをプラスチック製のザルに隔離します。これは餌の奪い合いの防止と個々の摂餌量を把握するためですが、この間は泳ぐオウムガイの姿をご覧いただくことができません。
先日、食べ終わった個体をそろそろ解放しようかと思っていた矢先、飼育スタッフから連絡が入りました。オウムガイを見たくて水槽前でずっと待っているお客様がいらっしゃる、とのこと。
電話を受けながら、あるお客様に思い当たりました。
実は、この日の朝、小さな男の子を抱いたお母さんをへんな生きもの研究所で見かけていたのです。
朝一番に来て「ここサイコー!」とか言って大喜び、生物についても相当詳しい男の子でした。
この時は話しかけなかったのですが「凄いなぁ、3、4歳ぐらいかな?」と思っていました…
オウムガイの水槽に向かうと、確かにその男の子とお母さんでした。
深海生物が大好きで、今はダイオウグソクムシもオウムガイも地元(大阪)の水族館では展示していないので、ここまで来たとのこと。せっかくなので特別にオウムガイを近くで見ていただきました。
その後、お母さんから届いたお礼のメールに息子さんが鳥羽水族館でオウムガイを見られて大喜びだった様子が書いてあり、私も嬉しくなりました。
そして、この男の子がわずか2歳だと知ったのです…。
2歳、さすがにこれには驚きました。
【飼育研究部 森滝丈也】