今、研究者の方と一緒に研究しているシダムシの話題です。
シダムシはヒトデの体内に寄生する甲殻類で、熊野灘では水深300m付近で採集できるウデナガゴカクヒトデやユミヘリゴカクヒトデなどから見つかります。こんな姿をしています。
ちなみに、このシダムシは新種(未記載種)で、もうすぐ名前(学名)が決まる予定なので、お楽しみに。
さて。ユミヘリゴカクヒトデから見つかるシダムシは2015年の調査では寄生率が30%を超えていましたが、ユミヘリゴカクヒトデ自体があまり数多く採集できないので、寄生率が高くてもそれほど目にする機会は多くありません。
先日、そのユミヘリゴカクヒトデから今年初のシダムシが見つかりました(通算17個体目)
両者は共生関係にあるので、ヒトデが生きている間はその体の中でシダムシは生存できます。でも何かの事情でヒトデが死ぬと、シダムシもそのまま一緒に死んでしまうようです。
そこで、今回はヒトデからシダムシを取り出し(救出?)試験的にしばらくシャーレの中で飼育してみることにしました。
ヒトデから取り出したら、おそらく長期間は生存できないと思いますが、シダムシの飼育自体、ほとんど行われた事例がないので試行錯誤で挑戦してみます。
【飼育研究部 森滝丈也】