へんな生きもの研究所のアパート水槽7号室のヨコエビBathyceradocusの続きです。
とても珍しい種類である可能性が高く、現在、研究者に調べてもらっていますが、結果が出るまで、水族館としてできることはないかと水槽内の生態観察を思いつきました。まずは手始めに個体識別を…。よく見ると、飼育中の個体は触角の欠損部位が異なっていて、ここが見分けるポイントになりそうです(前回はここまで紹介)
ところが、ここ数日の間に、水槽の底で行き倒れた2匹を確認したのです。残念…。やはり深海の生物なので飼育自体が難しいのかもしれません。
ただ、個体識別に取り組んでいたことが功を奏し、画像照合によって小型の方はこちらの個体だと判明しました(触角付け根の黒斑が決め手)。あぁ、この頃はこんなに元気だったのに…。
一方の大型個体は、画像と比較しても触角の欠損部が一致しません。
以前撮影した大型個体は左の第2触手の先端が欠損(矢印)していましたが、今回、回収した大型個体の触角は切れていません。と言うことは、これらは別個体、つまり、水槽の大型個体は1匹だけではなかった…ということになりそうです。
ともあれ、水槽の沈木の中にはまだ数個体が隠れていると思われますが、ほとんど姿を見ることができないので、どうにか個体識別できても生態観察はなかなか厳しそうです(諦めモード)
【飼育研究部 森滝丈也】