・熊野灘 水深300mで採集されるヤドカリ2種(ジンゴロウヤドカリ、ヨコヤホンヤドカリ)の殻にウロコムシの仲間(不明種)が共生する。
・そのウロコムシの背面に並ぶウロコの中には小さな個体が隠れていることに去年、初めて気が付く。これまでに2例を確認。
・小型個体は矮雄(小さなオス)かも。そんな習性を持つウロコムシは報告がない。すごいですよ!などと、先月2名の研究者から聞いて色めき立っている。
このウロコムシについては以前も紹介していますが、こちらがそのウロコムシの貴重な正面顔。
こちらは最初に確認した個体(2016年6月確認)。矢印で示しているのが小型個体(矮雄?)です。
大きな個体は卵を持っていたので、メスで間違いないでしょう。
(※画像は論文使用のため非公開)
小型個体を接写。
(※画像は論文使用のため非公開)
11月に2例目を確認して以降、追加標本を探していたのですが、昨日、3例目となる個体を採集しました。
これまでの観察結果から、やはりこのウロコムシの背面に小型個体が隠れているのは確実でしょう。
今後は研究者と共に、このウロコムシの未知の習性を明らかにしていければ、と考えています。
並行して、水族館としては水槽内の長期飼育に挑戦していきます。
水槽展示も視野に入れつつ、行動観察を模索していきたいと思います。
【飼育研究部 森滝丈也】