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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

イバライソメの棲管でした

私は飼育日記でマイナー生物ばかりを頻繁にアップしていますが、これは水槽の展示だけではなかなか知ることが難しい彼らの魅力をより多くの人に伝えたいから。

何度も飼育日記に書き込むことで、初めはあまり興味の無かったお客様に名前や姿を覚えてもらい、そのうちに好きになってもらえれば…と考えています。

 

さて。

それとは逆のケース?になるのでしょうか。

先日、こんな問い合わせを受けました。

 

それは私の飼育日記を引用しての質問でした。

「この日記の中で紹介されたものと同じものを千葉の漁師さんから手に入れたのですが、正体は謎のままなのでしょうか?」といった内容でした。

 

確かに去年の1月に書いた私の日記ではこうありました(いつ書いたのかすっかり忘れていましたが)

「それと、もうひとつ。こんな謎生物も頂きました。何これ?格好いい!どうも多毛類(ゴカイの仲間)の棲管のようですが。でも何だろ、このトゲ(残念ながら本体は消失していました)。この謎生物の解明も宿題ですね…」

そして、その時の画像はこちら…
これだけで、よく思い当たったものです。

驚きました。

 

この飼育日記をアップしたのは去年の1月ですし、載せたのはこの画像1枚だけ。

さらに本題は全く別の生き物の話題でしたし、日記のタイトルにもしていなかったのに…

よく思い出したものです。

 

実は、この謎の生物の正体(厳密にはその生物の住みかですが)は、飼育日記で紹介してすぐに判明しています。

古い図鑑にやはりこの棲管だけが紹介されていました。

これはゴカイの仲間の、イバライソメ Protodiopatra willemoesii   (McIntosh, 1885)の棲管です。

 

イバライソメは最初にインドネシアのジャワ島で見つかり、日本でも底引き網で時々採集されるようです。

ところが、私が目にしたのはこの時だけですし、画像検索しても生体の画像にヒットしないので、もしかしたら少しマイナーなゴカイ類かもしれません。

 

…というわけで、つまり、1回だけの紹介でも記憶に残る人には残っている、っていうことなのでしょうね。

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