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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

トゲニチリンヒトデのスイクチムシ

みんな大好きスイクチムシ(嘘)

今月の熊野灘の沖合底引き網採集でAsteromyzostomum属スイクチムシを採集したと紹介しました。

この仲間はこれまでに北極と南極から4種類が知られているだけで、私の調べた限りでは日本からの報告はありません。

ヒトデに寄生する珍しいスイクチムシ(多毛類・ゴカイの仲間)です。おそらく未記載種。

この仲間はヒトデの歩帯溝(管足がはえている部分)に寄生することが知られています(今回見つけたのはトゲニチリンヒトデ)

しばらく展示していたのですが、ホストのトゲニチリンヒトデが弱ってきたので(体表が破れて生殖巣が裸出しています)スイクチムシを取り出して標本として固定することに。

ヒトデの背面の体表を切り取り、歩帯溝を内側から見られる形に処理してみましたが…

驚きました!

歩帯板にピンク色の根っこのようなものが張り巡らされているではないですか!スイクチムシの組織のように見えます…

これでヒトデから栄養を吸収しているのでしょうか?

観察例が少ない生物なので貴重なデータになると思います。

【飼育研究部 森滝丈也】

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