メンダコ展示で盛り上がっていた昨日の朝、へんな生きもの研究所の見回りをしていた辻くんから電話がありました。
どーも水槽にヒトデの卵らしきものが舞っているらしい。
駆けつけると、確かにたくさんの卵が漂っています(辻くんが回収中)
この水槽にいるのはニチリンヒトデ・ウチダニチリンヒトデ・トゲニチリンヒトデの3種。
複数いるのはニチリンとトゲニチリンなので、産卵したのはこのどちらか…
ふと見ると産卵の格好をしたトゲニチリンが水槽側面に。
産卵の瞬間は確認できていませんが、この状況ではおそらく産卵したのはトゲニチリンヒトデLophaster asiaticusでしょう。
このトゲニチリンヒトデは今月12日に尾鷲沖水深300mで採集してきたもの。
産卵は鳥羽水族館では初めて(他の水族館でも報告はないようです)
このタイプの卵だと、幼生はヒトデになるまで餌を取らずに成長すると思われます。
翌日(今朝ね)確認したら、発生が進んで卵割していました!
無事に受精していたようです。
深海のヒトデなので発生速度は遅いため、着底(稚ヒトデになる)まで50日程度はかかりそうです。
【飼育研究部 森滝丈也】