昨日は熊野灘(南伊勢町沖)漸深帯底引き採集に行っていました。
操業中、博物館の学芸員さんが深海の小さな貝を探すために採集されたヒトデを欲しがっていた、という話を船の親方から聞きました。
確かに、スナヒトデやモミジガイ(ヒトデ)の仲間は小さな貝を丸飲みにする食性を持つので、満腹のヒトデを採集すれば小さな深海の貝を手に入れることができます。
ですが、この船でその類のヒトデはあまり採れていなかったような…採集できたとしても個体数は少なかったと思います。
少なくとも私はこれまでに満腹状態のヒトデに遭遇した記憶はありません。
ところが昨日は珍しくモミジガイの仲間が2種類採集できました。
特に左のヒトデは初採集。輻長(中心から腕の先までの長さ)26mmでした。(共に種名は調査中)
あいにく、この2個体は貝を食べていないようです。
ところがあらためて採集物を確認してみると、右側と同じ種類で満腹の個体が見つかりました。
おまけにこのヒトデはすでに瀕死…(このヒトデは弱い)
胃の中に入っていたのは特徴的で美しい巻き貝。殻高3mmほどでしょうか。
最終的に、胃の中からは3種類7ヶもの巻き貝が見つかりました(1マス=5mm)
採集困難な水深200-300mにいた微小貝なので、珍しい種類が混じっているかも知れません。
【飼育研究部 森滝丈也】