2019年10月に熊野灘の水深200〜300m付近で採集した美しいピンク色のヨコエビがこのたび新種として発表されました!
研究者によって付けられた名前は、チンボクウデナガヨコエビ Lobatoradarea lignorum です。
今回、日本各地で見つかった同属10種が一緒に発表されました。
本種は沈木に依存して生活しているので、沈木の中や表面で幼体から成体まで見つかります。
木の表面をちょこちょこと動き回る姿がとても愛らしく、拡大して観察するとなかなか魅力的な姿をしていますが、実際の大きさはわずか 1〜2mm 程度。
色も美しく、動きもかわいらしいのに、小さすぎてほとんど目立たないのが惜しいところです。
本種は採集後すぐに専門の研究者の方へ提供していましたが、6年の歳月を経てようやく新種として正式に記載されたことになります。
採集から数年間は水槽内の沈木をひっくり返せば、うごめく姿を簡単に観察できたのですが、残念ながら現在は展示していません。
また採集して、あらためて皆さんにもご紹介したいと思います。
ちなみに、本種は「ツキソメイソギンチャク」よりも3週間ほど早く公表されました。
ということで、いつもお世話になっている沖合底引き網漁船「甚昇丸」で私が採集した生物としては、このチンボクウデナガヨコエビは41番目の新種になります(ツキソメイソギンチャクは42番目)。
【飼育研究部 森滝丈也】






