先日、鳥羽の漁師さんから小型サイズのカエルアンコウを4匹頂きました。体長4-5㎝ほど、展示するには小さいので予備水槽で育ててからデビューする予定です。
夏になるとこの漁師さんからカエルアンコウが捕れたと、連絡が入るのですが、それはマダコ漁で仕掛けたカゴの中に入ってくるからだそうです。秋から冬になると漁の方法が変わるためカエルアンコウは捕れなくなるそうです。
さて。
時々、からだの表面に大きなコブを持ったカエルアンコウを見かけることがあります。
実は、このコブの正体はコブトリジイサンSarcotaces pacificusという寄生性カイアシ類の一種(甲殻類)。コブトリジイサンはドングリの様な姿(メス)をしていて、カエルアンコウの皮膚の下に寄生する習性があります。
ユニークな和名は、本種の寄生を受けたカエルアンコウの姿がおとぎ話の「こぶとり爺さん」を連想させることに由来するそうです。
個体によっては、邪魔じゃないのか?と心配になってしまうほど寄生された個体もいますが、むしろ寄生されていない個体を見かけることの方が少ないくらいなので、カエルアンコウにとってはこれが普通の状態なのかも知れません。気持ち悪いと思われた方はごめんなさい。
でも、彼らも生態系を構成する大切な命のひとつ。私にとっては気持ち悪いと言うよりも興味深い存在に思えます。
【飼育研究部 森滝丈也】