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鳥羽水族館 飼育日記 鳥羽水族館 飼育日記

カガミモチウニが産卵した!

いやぁ、昨日は興奮しました!カガミモチウニの話題です。

カガミモチウニはメスの上にオスが乗る興味深い習性を持つ深海のウニで、自然界では水深300mあたりで海底に沈んだ木を食べて暮らしています。2匹が重なるのはおそらく繁殖に関係する行動だと予想していますが、これまでに産卵自体を目にしたことはありませんでした。

それが昨日の夕方、予備水槽で重なっていたペアを展示水槽に移動したのですが、しばらくすると、上に乗ったオスが謎の動きを始めたのです。これはオスが棘を束ねて管足を激しく上下する行動で、これまにも何度か見かけたことがありますが、私は仮にドラミング行動【Drumming】と呼んでいます。

(オスのドラミング行動)

そのまま見ていると、オスのドラミングに続いてメスも管足を上下に振り出しました。

あれ?と思っていると…卵が舞い始めたのです!

周囲を舞っている粒々が卵

(慌てて撮ったので画像はボケていますが…)ちなみに、この時、オスの放精自体は確認していません。

興味深いのは、卵は生殖孔のある殻の頂上付近ではなく、殻の下半分あたりから拡散していたこと。一連の動きを見る限り、オスは管足を使ってメスへ精子を送り、メスは産卵直後に沈む(落下する)卵を管足で拡散しているようにも思えましたが…果たして?

引き続き観察します。

【飼育研究部 森滝丈也】

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