先日の日曜日は沖合底引き網漁船に乗船して熊野灘の水深150-320mで生物採集をしてきました。
その中には去年新種発表されたカンムリヒトデスイクチムシも(スイクチムシは棘皮動物に寄生するゴカイの仲間)。ちなみに、スイクチムシはヒトデの胃の中に寄生しますが、特に悪さをするわけではないようで、寄生というよりも共生と表現した方が適切かもしれません。
さて。
スイクチムシが寄生するカンムリヒトデは腕が自切しやすく飼育がやや難しいので、これまでスイクチムシとの共生展示は実現できませんでした。
ところが、今年の春に採集したヒトデは調子が良く、摂餌も活発。
そこで、このヒトデ達にはスイクチムシ が寄生していないので、ヒトデとスイクチムシの共生展示を実現させるべく、死亡したヒトデから取り出したスイクチムシを寄生させてみることにしました。
餌のオキアミにスイクチムシをサンドして与えてみます。
うまく一緒に飲み込んでくれるでしょうか?
ヒトデは管足を動かして積極的にスイクチムシを口の中に取り込もうとしている(ように見えます)。
そして思惑通り、スイクチムシはしっかりヒトデの胃の中に収まりました(成功!)
他の水族館ではなかなか見ることができない(はず)のカンムリヒトデとスイクチムシの共生展示です!ご来館の際は、カンムリヒトデの口(胃袋)の中を是非ご覧ください(笑)
【飼育研究部 森滝丈也】