12月に鏡餅ウニことPrionechinus forbesianus の行動について発表しようと、今準備を進めています。
その中のいちばん大きな♀(殻径18.0㎜)の形態が以前から気になっていました。
他の個体と違って、殻頂の肛門付近の棘が大きくなっているのがわかるでしょうか?
こんな姿に変化した原因の一つが寄生貝(ヤドリニナ)ではないかと考えています。
鏡餅ウニにはヤドリウニに寄生されることがあるのですが、過去に寄生された個体を見ると、どうも殻の形態変異が引き起こされるようなのですね。
過去の寄生を受けた個体はこちら(赤い部分は貝が寄生していた痕)
どれも殻頂の棘が変化しています。
本当に貝の寄生がウニの形態変異を引き起こすとしたら、とても興味深い事象だと思います。
と、なると、今いる大きな個体は貝の寄生から逃れた生き残りということになります。
それはそれで、なかなか感慨深いものがあります。
【飼育研究部 森滝丈也】