鳥羽に限った話ではありませんが、水族館で飼育されているオウムガイは新しく作られる殻に黒い傷ができてしまい、見た目があまり良くありません。
野生ではツルツル・スベスベなんですけどね。
はっきりした理由は明らかになっていませんが、黒い筋が形成される原因のひとつとして細菌の影響が挙げられています。
深海と比べて水族館の海水は汚れているからだ、ということですが、原因は他にもありそうです。
と言うのも、実は、水族館生まれの個体でも黒い筋は見られますが、野生由来個体のものに比べるとそれほど目立たない場合が多いからです。
こちら↓は過去の孵化個体の画像です。
No.10は筋ができていますが、他の個体は比較的少ない。水質が原因なら、野生由来個体と同じように筋ができるはず。
環境の違いとそれが及ぼす影響について、最近、あることに気が付きました。まだ、私の頭の中だけにある仮説ですが、これが黒い筋ができる大きな理由じゃないかと感じてます。
文字数の関係でここでは割愛させていただきますが(笑)、いつか仮説が証明できればと思っています。
水槽中で野生個体のような美しい殻を見てもらうには、まだまだ越えなきゃならないハードルがあるようです。
【飼育研究部 森滝丈也】